相手方保険会社より損害賠償金の提示がありましたが金額は妥当でしょうか? |
一般論として言うならば、相手方保険会社(任意保険会社)が提示する金額は自賠責保険の基準によるものであって、裁判基準の6~7割程度の金額に過ぎません。被害者側がこれで示談してくれれば、相手方保険会社としては支払った分を自賠責保険でカバーできますので、自分では持ち出しをせずにすむ事になります。
しかし、裁判基準での損害賠償を勝ち取るためには訴訟を提起しなければならず、それを弁護士に依頼するとなれば弁護士費用がかかります。そのため、損害額が少ない場合には経済的にみて割りに合わず、保険会社の提示額で和解してしまうことが多いというのが実状です。
もっとも、昨今は弁護士費用特約がついた保険に加入されている方も多く、その場合には弁護士費用は保険会社の方で支払ってくれますので、弁護士に依頼して訴訟提起したほうが良いですね。ちなみに、弁護士費用保険を利用しても、任意保険の料金が上がるということはありません。
交通事故の損害賠償額は、どのように算定されますか? |
交通事故の損害は、まず、物損(物的損害)と人損(人的損害)とに大別出来ます。
物損の代表例は破損した自動車の修理費ですが、他にも事故によって破損した物があればそれも物損ということになります。
これに対し、人損としては、まずは、①入・通院慰謝料、②治療費(杖、ギブス代等を含む)、③通院費(交通費)、④休業損害があります。治療の結果、自己によるケガが完治すれば良いですが、後遺障害が残るようであれば、これに⑤後遺障害慰謝料、⑥逸失利益が加わることになります。また、被害者が死亡した場合には、後遺症慰謝料に変わり⑦死亡慰謝料が発生することになります。
このうち、②治療費、③通院費は実費であり、金額について争いとなることはあまりありません。それに対し、①入通院慰謝料や⑤後遺症慰謝料は、およその「相場」はありますが決められた金額があるわけではありません。
さらに、④休業損害については基本的に被害者の年収を基礎として算定されることになりますし、⑥逸失利益についても年収を基礎に、被害者の年齢、後遺障害の収入への影響度等を考慮して総合的に判断することになりますので、まさにケース・バイ・ケースということになります。ちなみに、逸失利益は、同じ認定等級であっても、高収入で年齢が若いほど、高額となります。
⑤後遺障害慰謝料(※死亡事故の場合は死亡慰謝料)は年収には関係なく算定され、現在の基準は以下のとおりです。
※参考
<後遺障害慰謝料額(裁判基準)>
第1級 | 2800万円 |
第2級 | 2370万円 |
第3級 | 1990万円 |
第4級 | 1670万円 |
第5級 | 1400万円 |
第6級 | 1180万円 |
第7級 | 1000万円 |
第8級 | 830万円 |
第9級 | 690万円 |
第10級 | 550万円 |
第12級 | 290万円 |
第13級 | 180万円 |
第14級 | 110万円 |
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<死亡した場合の慰謝料(裁判基準)>
一家の支柱 2800万円というのが現在の基準です。
母親,配偶者 2400万円
その他 2000万円~2200万円
後遺障害による労働能力の低下によって、将来得られるべきであろう収入が減少する分を逸失利益といいます。
逸失利益は、基礎となる収入(年収)に、後遺障害の程度(※認定等級)に応じた労働能力喪失率を掛け、それに労働能力喪失期間(67-年齢)を掛けた上、中間利息を控除することによって算定されます。例えば残り17年の就労が可能な方の場合、単純に年収×17の金額を一度に前払いで貰うことになるとその後の運用利益分を余分に貰うことになってしまうため、その(中間利息)分を圧縮して算定するわけです。
中間利息の控除計算にはライプニッツ式とホフマン式という方法がありますが、現在ではライプニッツ式が主流となっております。ちなみに、ライプニッツ式によって計算した年齢50歳の方のライプニッツ係数は11.274となります(※つまり、×17ではなく、×11.274に数値が下がる)。
例) 年収800万円、後遺障害等級12級(労働能力喪失率14/100)、年齢50歳のケースの場合
8,000,000円×0.14×11.274 = 12,626,880円
なお、子供や無職の方などの場合には、男女別の全年齢平均年収を基礎とするのが原則ですが、それ以上の収入が得られる蓋然性が高い場合(※例えば医学部の学生)には、それが考慮されることがあります。
自賠責保険金の請求をするにあたり、被害者の後遺障害がどの程度のものであるかが判らないと損害額を算定できません。そこで、後遺障害認定をする損害保険料率算定機構に、後遺障害が何級になるかを認定してもらったのが事前認定等級です。自賠責保険会社は、この事前認定等級に従った基準で保険金を払うことになります。
事前認定で後遺障害が認定されないと、訴訟で後遺障害慰謝料や逸失利益を主張できませんか? |
事前認定の結果に対しては損害保険料率算定機構に不服申立をすることが出来ます。しかしながら、それによって認定結果が覆るのは極めてまれのことです。
そもそも、損害保険料率算定機構による事前認定等級は何ら法的な拘束力はありませんので、事前認定等級が認定されていなかったとしても、訴訟において後遺障害慰謝料や逸失利益の主張をすることは可能です。当事務所では、脳脊髄液減少症(低髄液圧症候群)の事例において、後遺障害の事前認定が得られていなかったにもかかわらず、訴訟上の和解において2000万円の賠償金を勝ち取ったことがあります。
各車両には自賠責保険の加入が義務付けられていますが、自賠責保険でカバーされるのは人損だけで物損についてはカバーされません。また、人損についても全てがカバーされるわけではなく、自賠責保険基準に定められた金額内で留まります。そこで、多くの方は自賠責保険意外に任意保険をかけており、保険加入者が事故を起こした場合にはその任意保険会社が示談交渉に当たることになります。この場合、示談がまとまれば被害者は相手方の任意保険会社から損害額全額の支払いを受け、その後、任意保険会社が自賠責保険分を自賠責保険会社に請求するのが通常です。これを加害者請求と言います。
それに対し、示談がなかなか成立しない場合、被害者としては、とりあえず自賠責保険の分だけを自分で請求することも出来ます。これを被害者請求といいます。被害者請求によって自賠責保険分受け取った場合、残りの部分を相手方の任意保険会社に請求するということになります。
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